大雨特別警報
火曜日の台風に続く昨日の豪雨。短時間で川の水位も上がり、事業所前の道路は10cmほどの冠水。長崎県では大雨特別警報が発表されました。特別警報はこれまでの警報の発表基準をはるかに超える、数十年に一度の大災害が起こると予想される場合に発表されるそうです。長崎県でこの大雨特別警報が発表されたのは今回が初めてだとか・・・。
数十年に一度だから、たびたび発表されるものではないのでしょうが、確かに半端ない雨の降り方でした。車を運転していても前が見えないくらいだったし、側溝から水が噴き出していました。いつもは穏やかな本明川の水位も「海?」と疑うぐらいに増え、車を運転していて正直恐怖さえ感じました。
そんな状況で我々がまず心配したのは利用者さんたちの安全確保です。特に一人暮らしの方や高齢世帯の方など、緊急時の避難が単独では難しいと思われる人たちの安全をどう確保するかに奔走しました。諫早市も避難勧告が出ていましたので、なかまの中には隣の人と一緒に避難所に避難した人や、高齢の親御さんと一緒のため敢えて避難せず、自宅の安全な場所に待機するという判断をした人もいました。しかし中には帰宅途中に大雨による通行止めに巻き込まれ、30分以上も車が進まず、自宅にたどり着くまで4時間近くかかったという医療的ケアが必要な利用者の人もいました。今朝、利用者の皆さんに確認したところ、特に体調を壊したり、自宅が被害にあったという人もおらず、一安心といったところです。
ただ、この特別警報が発令されたにもかかわらず、行政や民生委員などから、安全や避難状況の確認があったという人が一人もいなかったということに疑問と憤りを感じます。障害者や高齢者など、緊急時の避難行動に支援が必要な人や世帯に対しては、「緊急時避難行動要援護者名簿(要援護者名簿)」に基づき、行政や地域の民生委員を中心に避難行動を援護することとなっています。これまでも長崎県や諫早市に対し、緊急時の避難援護について尋ねたところ、要援護者名簿の作成と訓練は実施しているとの回答をいただいていました。しかし、今回は少なくともドリームパークの利用者さんに対し、「大丈夫ですか?」の一言もありませんでした。ドリームパークの利用者さんの名前が要援護者名簿に記載されているのか?じゃあどんな人が名簿に記載されているのか?・・・と疑いたくなります。避難できないだけではなく、避難の必要性が十分に理解できない利用者さんもいます。避難の必要性を伝え、安全な場所に避難誘導するためにあるのが要援護者名簿ではないのでしょうか。
ドリームパークが良く交流している県内の就労継続支援B型事業所があります。施設長は常時車いすを使用している女性で、一人で暮らされています。利用者さんには精神障害の方が多いのですが、公営住宅に単身で生活されている方も多くいます。その中には緊急状況を十分に理解できない方もいます。しかしその利用者さんたちに避難誘導の声掛けはなく、施設職員が避難所への避難を指示し、避難所での避難が困難な利用者さんは施設長の自宅に避難しました。本来であれば要援護者名簿に記載されているであろう車いすの施設長の自宅への避難です。
緊急時、多くの住民の生命と生活を守るのが行政の務めであり、その業務を遂行されているということは十分理解しているつもりです。しかし、たった一人の住民の生命と生活さえ守れないのであれば、多くの住民の生命と生活を守ることはさらに困難なことなのではないか・・・というのは間違った考えなのでしょうか?
今回の大雨でいろいろなことを考えさせてもらいましたが、一夜明けて今朝の空には少しずつ青空も広がってきています。我々の心の中にも、もっともっと青空が広がってくれたらいいな・・・。
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